呉屋日記

勝連繁雄先生の一弟子・平良が、好きなことを好きなようにつづる日記

2022年の出来事(2)

3月に、自分の研究所の稽古を再開した。

コロナ禍の影響で、気づけば稽古の休止期間は1年半以上になっていたが、再開のきっかけがつかめなかった。

状況が変わったのは、兄弟弟子である先生の研究所時代の仲間が二人、うちに来ることが決まったからだった。

ひとりは、兄弟弟子、兼、友人。

もうひとりは、先生が指導をしていた三線サークルの活動をきっかけに先生の弟子になったUさん。

 

稽古再開の直前の2月に、その兄弟弟子の二人と話し合いをすることにした。

三人一緒に顔を合わせること自体がずいぶん久しぶりだったその場で

先生について思い出す事をお互い話し合ったことが、今も忘れられない。

「他の先生方の歌声を聴いても、先生の息遣いとは、違うなあ、と」

黙って聞いていたもう一人が、泣いていた。

改めて、そしてはじめて、稽古をしたい、しなければと思った。

 

(ああ、稽古を再開したのはつい最近だと思っていたのに、気づけばもう一年以上が経つ。先生が不在になってから、長いような、短いような。)

現在も継続中の毎週の稽古は、前からいるメンバーと、新しい仲間と一緒。

稽古時にはほぼ毎回、先生の話が出る。

「ここに来るとき、車の中で先生の『本調子述懐節』を聴いてきたので、今日はそれの練習をお願いします」

工工四ではこうなってるけど、先生の歌はこうだったよね」

「あれ?今三線弾いてた途中、ちょっと変なとこあったよ」

「あとでもっかい、先生の歌聴いて確認してみよう」

 

重ねるごとに、元気が出る。

ありがたくて、心強い。

教えたいのではない。共有したいだけだ。

先生が教えたことを、忘れないよう、繰り返し、続けていきたいだけだ。

 

弾く。歌う。

話し合い、笑う。

先生がいた頃の?

雰囲気がよみがえるような?

少しは似てる?

・・・・いや、いつか、似るといい。

 

違うのは分かる。けれども、

今はまだこれで、いいのではないかな。

そう、ここは、先生もいる教室。

 

同じように、みんなも思っているかな。