呉屋日記

勝連繁雄先生の一弟子・平良が、好きなことを好きなようにつづる日記

2011-01-01から1年間の記事一覧

大みそか

あっという間に大みそかになってしまった。 年末のテレビ番組をいろいろ見ながらこれを書いているけど。 今、今年の出来事について振り返っている。 今年も1年間、普段通りの生活ができたことに感謝したい。 先生と変わらず稽古を続けられたことに感謝した…

「式楽的」を超えうる 

勝連先生いわく、琉球古典音楽は、その曲想によっていくつかの種類に分けることができるという。 1.式楽的曲想 例:「かぎやで風節」「稲まづん節」など 2.我想的曲想 例:主に二揚げの曲。「干瀬節」「子持節」など 3.寂静的曲想(魂の最高の境地、安…

比嘉慂さん

驚いた&私までうれしい、そんなニュースがあったので、少し紹介。 前にちょっとこのブログで触れた、比嘉慂(ひがすすむ)さんという漫画家。その比嘉さんの作品集が、来年1月に開かれるフランス国際漫画祭の最高賞候補にノミネートされたという記事が、今…

重ねかた

先生と一緒の練習中。 歌も三線も。 私の一音一音が、先生と重なっている瞬間は、実は、本当の本当にわずかしかない。 初めて気づいた時は、けっこう衝撃だった。 同じようで同じじゃない音ばかりだと。 聴こえる違いと聴こえない違いがあるのだと。 気づい…

余談

昨日の勝連先生の三線教室。水曜日クラスの練習の時間に、先生が「来週の水曜日は公休日だから教室も休みにするか?」と言ったら、その場にいた弟子の5人中4人が「イエ―イ!」といった態度。 ウケたけど、後から考えたら、これってちょっとすごいことなん…

安里屋ユンタ

あんまり難しく考えるような話じゃないのかも、とは思うのだけど。 超有名な民謡「安里屋ユンタ」の5番の歌詞が、あまり好きじゃない。 (「新・安里屋ユンタ」とも呼ばれているほうの)。 前々からなんとなく思っていたことなのだけど、今日改めて思った。…

つぶやきごと

「何、それ?」 「先生の言うことに、ちょっと納得がいかないんですけど」 稽古やら何やら、先生の近くにいると、そうやって先生に対する怒りが湧いてくるときもある。 でもそんなとき、しばらく時間が経ってから思うのが、「私は先生に生かされているんだか…

それだと、さみしいからさ

「あなたにはやがて視えるときがある あなたにはやがて聴こえるときがある あなたのたましいには ふるさとがある ちちのちちの そのまたちちの ははのははの そのまたははの おもいがそめた ふるさと たとえていえば夢 たとえていえば美 たとえていえば音 を…

瞬間

遠慮。罪悪感。寂しさ。慣れなさ。気恥ずかしさ。嬉しさ。そして恐ろしさも。 はじめて先生を「先生」と呼んだあの日のあの瞬間、 私は本当に先生の弟子になったんだと思う。 その瞬間がいつだったかなんて。 先生は気づいていたのかな。

「美童物語」  〜地謡と曲想と浜千鳥節〜

舞踊の地謡(「じかた」。踊り手が踊るための演奏をすること)を務めている最中にはどうしても、曲の拍子を取ることや速さを気にすることに必死になってしまい、その曲想がどんなものであるかとか、そういうことを感じているヒマがあまりない。 (今まさに地…

2011年8月23日(火) 沖縄タイムス

2011年 沖縄タイムス伝統芸能選考会 「三線」グランプリ部門入賞できました。 結果が発表された日から、ずっとうれしくて。 もっと早くこのブログを更新したかったのだけど、落ち着かなさすぎてできませんでした。 勝連先生のおかげ。 周りのみんなのお…

十七八節(2)

おととしあたり。勝連先生と一緒に琉球舞踊家として有名なS先生の自宅におじゃました時の、両先生の琉球古典芸能談義について思い出す。「年齢を重ねるごとに経験が増すのだから、その年齢の、その経験をした本人にしか表現できない踊りというものがある。 …

十七八節(1)

恋の歌に、鳥肌は立たない。 だから十七八節は、恋の歌ではないと私は思う。 「よすずめのなれば あひちをられらぬ 玉黄金使の にやきゆらとめば」 (夕暮れになると 居てもたってもいられない 大事な使いの者がもう来るのかと思うと) 十七八節。歌詞を意訳…

赤と黒の

今回書く話、うまく伝わるでしょうか。 伝わればいいなと思いながら書きます。 数か月前にあった、野村流古典音楽保存会の、師範と教師が集まっての勉強会でのこと。 質疑応答の時間に、ある参加者からの質問が出た。「工工四の声楽譜に関して。同じ音程の赤…

しりあがり寿さん

「しりあがり寿」さんを知っていますか?私の好きな漫画家さんのうちの1人です。 そんなしりあがりさんは某大手ビール会社の元社員だそうで、会社勤めをし始めてから何年かの間は、サラリーマンをしながら漫画家としての活動もしていたそうです。 そんな彼…

先生の歌は(3)

(「先生の歌は(2)」のつづき) 歌に気持ちは伴っているか。表現できているか。毎回毎回歌うたびに意識しなければ、私の歌はとても聴けたもんじゃない。いや、意識したって表現できていない部分ばかり。たとえばあの、先生が聴かせてくれた二揚げ下出し仲…

先生の歌は(2)

先生の歌は(2) (「先生の歌は(1)」のつづき) 歌にとって大切なのは、「話す」こと。その世界をどうやって自分なりに話し、表現できるかということ。そう語りかけてくるような先生の歌を聴くたびに、私は先生の著書を読み返したくなる思いに駆られ、…

先生の歌は(1)

「勝連先生の歌って最高なんだ」と。 そう思ったときって、一体いつ? そのことについて書いてみたくなりました。(↓) 先生が三線指導を務めるサークルの稽古に同行した時のこと。先生がみんなの前で独唱するというので、私たちはその歌を聴くことになった…

そっくりに

「呉屋さんの歌って、勝連先生の歌にそっくりだね。」 少し前のこと。三線を習っている先輩が、私が舞台で歌っているのを見てそう言っていた、ということを人から聞いたとき、私は本当にうれしかった。 「勝連先生の歌そっくり」。そう言われるほど嬉しいこ…

勝連繁雄先生の一弟子です

はじめまして、こんにちは。 まずは私の簡単な自己紹介から。 沖縄・中城村に在住。三線をやっていて、古典音楽研究所を開いています。練習は週1回、火曜日の夜。それ以外の曜日には、師匠の研究所に通っています。 私の師匠は、琉球古典音楽の世界では有名…