呉屋日記

勝連繁雄先生の一弟子・平良が、好きなことを好きなようにつづる日記

2019-12-01から1ヶ月間の記事一覧

大晦日

大晦日はいつも、うれしいような、安心したような、胸いっぱいの、何ともいえない気持ちになる。 今年一年。 怒ったことなんか、もう忘却の彼方。 嬉しかったことも、なんだか結構前のような。 ただ、今、この瞬間にあるのは、今年も一年無事に過ごせてよか…

ある手紙のこと(4)

あれから10年が経った今、こうして彼女のことについて書くと、彼女がこちらで踊っていた頃の姿がまた目に浮かぶ。親戚の地元の小さな祭りに出演したとき。タイムスの新人賞の受験の日の、試験本番の中継のモニター越しの様子。賞に晴れて合格してから最初…

ある手紙のこと(3)

かせかけ。 募る女性の恋心を表現した、古典女踊り。 A君からその話を聞いた私は、動けなくなり、何も言えなくなった。話を聞いて、涙が出るようで、けれどもその気持ちは「涙が出そう」と言って簡単に片づけられるようなものではなかった。 それは、Sさんが…

ある手紙のこと(2)

Sさんが母国に帰ってから1か月ほど後のこと。 私たち三線サークルのメンバー数名で、飲み屋に飲みに行く機会があった。忘年会だったのかもしれない。ちょうど今と同じように寒い時期だったという記憶はあるが、何のための飲み会だったのかということまでは…

ある手紙のこと(1)

もう書いてみようか、と思う。 このことについてうまく書き伝えられる自信がないままに年月が過ぎ、そして今でも十分に伝えられるかどうかは分からないままだけれども、それでもやっぱり書いてみようかと思う。 なぜなら、この出来事のことがいつもずっと、…