呉屋日記

勝連繁雄先生の一弟子・平良が、好きなことを好きなようにつづる日記

「琉歌を作る④」

桜に限らず、花について「匂ひましゆる(匂いが増す)」「しほらさ(きれい)」と表現するのはよくある。 でもできるなら、桜の花の咲く様子を、私自身のオリジナルの表現(少なくとも「琉歌集」などの昔からある歌にはない表現)にしたい。自分の気持ちにぴ…

「琉歌を作る③」

今回作る歌に私が込めたい気持ちは、いくつかある。 その前にまず言えるのは、私は、石平地区の人間ではない、ということ。 石平に住んでいる人々がどのような人なのかを本当に知っているのは、そこにずっと住んでいる人だけだし、知らない私が知った気にな…

「琉歌を作る②」

となったとき、気づいた。 そうだ。アイディアを先走らせる前に、まずは私が(私でも)即座に思いつく歌詞・言い回し(=古典音楽や民謡によく出てくる歌詞をヒントに思いついていると思われる)が、他の歌ではどのように歌われているのか、改めて調べること…

「琉歌を作る①」

今月、普段お世話になっている先輩からの依頼により、とある祭りの幕開け斉唱をすることになった。 北中城村の石平(いしんだ)という地域の、川沿いに植えられている桜の咲く時期に合わせて開催する「桜小路(さくらこみち)まつり」。始まってから、今年で…

2022年の出来事(4)

先生と、面と向かって話したこと。 一番印象に残っている場面は?と、聞かれても分からない。 先生はいつ、私を何と呼んでいただろう。 (「君」?「お前」?「ゆかり」?・・・・全部だな。) 先生を思い出す時、行きたくなる場所がある。 本島南部の、とあ…

2022年の出来事(3)

組踊の稽古が始まった。 9月に初めて、組踊の舞台の地謡をすることになった。 先生は組踊のことをよく知っているのに、私は一度も組踊をやったことがない。 演目が「執心鐘入」と聞いて、初心者の私にでも入りやすく、良い機会をもらったと感謝した。 あり…

2022年の出来事(2)

3月に、自分の研究所の稽古を再開した。 コロナ禍の影響で、気づけば稽古の休止期間は1年半以上になっていたが、再開のきっかけがつかめなかった。 状況が変わったのは、兄弟弟子である先生の研究所時代の仲間が二人、うちに来ることが決まったからだった。…

2022年の出来事(1)

1月に、舞台があった。 独唱「赤田風節」の出番を与えられた。 コロナ禍の影響で数多くの舞台が中止になる中、本当に久しぶりの舞台。 そして先生が不在になって以来、はじめての舞台だった。 出番があることは、先生が健在だった頃に知らされた。入院中だ…

(4)

もう今年も終わるのだから、とにかく書こう。そう考えてはみるものの、結局続きは書けないままだったな。悲しい年だった。けれども、周りの人の優しい気持ちが沁みる年だった。こうして年を越せることに感謝したい。来年も、よろしくお願いします。

(3)

こんな師匠によく会えたな、と思う。 偉いのに、えらぶることなく、 本当に何でも話せた。 自分自身に起こる日々の出来事は全部、先生と話すきっかけになった。 とにかく、話したかった。 先生と昨年一度、あの琉歌のコーナーの話をしていて、 「コロナは嫌…

(2)

7月13日のすぐ前の週にも、先生と会いました。 私が書いた琉歌の原稿を、最初に先生の自宅で見せた時のことです。 原稿を見せた後、二人でごはんを食べている途中、私は、言いました。 「でもさ、琉歌のあの総評さ、私が書いてます、って名前出せるんだっ…

(1)

7月13日に、先生と会いました。 先生の自宅に行きました。 先生が連載していた、沖縄タイムスの琉歌のコーナーの原稿の内容について相談するためにです。 その日が原稿の提出の締め切り日でした。 私が入ったあとに、先生が部屋に入って来ました。先生の…

無題

今、書けない。書くべきじゃない。書きたくもない。 もっと時間を置けば正直、もう少しは、書けるのに。 そう思っていたのに、それでも今日書いたのは、はっきり「誰」とは断定できないある人から、この場を通して私への気遣いのメッセージのようなものがあ…

「青い車」(3)

新聞紙面に彼の名前を見つけたとき、私には、二つの気持ちが起こったと思う。懐かしむ気持ちと、納得の気持ちだ。 紙面に載った彼の名前と顔写真を見て、それまであまり意識的には思い出すことのなかった中学・高校時代の彼のことが思い出された。 そして、…

「青い車」(2)

彼は、名をKくんといった。頭が良く、努力家。 私は中学・高校通して計4~5回くらい彼と同じクラスになったように記憶しているが、彼は中学生の頃から、同級生とは思えないほどの様々な知識に話しやすいキャラクターを持つ、個人的に印象に残る人だった。…

「青い車」(1)

私が今、乗ってる車は、ボディが水色。 先月、(車の乗り換えのために)その水色の車を今月末に手放すということが決まったのだけれども、手放すことが決まったときから、気づけば思い出している。 それは、数年前にこの水色の車を購入する際、車のボディカ…

最近のささいな出来事について

「あ、そういえば今月一回もブログ更新してないや・・・」 ということに気づいたので、大したことない話題について、今から以下、書いてみようかな~。 ・・・というわけで・・・(↓) つい先週のこと。 最近2歳になったばかりのうちの三女が今年の4月から…

「先生も」

「先生が言っていたんだよ」。 「先生も、同じことを言っていたんだよ」。 「先生も」と一言付け足すだけで、少しばかり力を増す、私の言葉。 逆に言うなら、「先生も」の援護がなければ、ほぼ力を持たない、私の言葉。 でも私は、それでいい。 「先生も」を…

仕事始めの日の雑談

あっという間に年末年始の長い連休が終わり、今日は新年最初の職場への出勤日、仕事始めの日でした。 今日、出勤してから一番最初に顔を合わせた同じ課の隣の席の子が、「あー、ずっと連休だったら良かったのになー。今日の出勤が憂鬱だったよー」などと笑い…

謹賀新年

皆さま、あけましておめでとうございます。 暇なのでしょうか?新年早々このブログを見てくださるとは・。 けれども嬉しいです。ありがとうございます。 本年も、どうぞよろしくお願いいたします。 と、このような流れでいくと、このあと続きにくるのは一般…

大晦日

大晦日はいつも、うれしいような、安心したような、胸いっぱいの、何ともいえない気持ちになる。 今年一年。 怒ったことなんか、もう忘却の彼方。 嬉しかったことも、なんだか結構前のような。 ただ、今、この瞬間にあるのは、今年も一年無事に過ごせてよか…

ある手紙のこと(4)

あれから10年が経った今、こうして彼女のことについて書くと、彼女がこちらで踊っていた頃の姿がまた目に浮かぶ。親戚の地元の小さな祭りに出演したとき。タイムスの新人賞の受験の日の、試験本番の中継のモニター越しの様子。賞に晴れて合格してから最初…

ある手紙のこと(3)

かせかけ。 募る女性の恋心を表現した、古典女踊り。 A君からその話を聞いた私は、動けなくなり、何も言えなくなった。話を聞いて、涙が出るようで、けれどもその気持ちは「涙が出そう」と言って簡単に片づけられるようなものではなかった。 それは、Sさんが…

ある手紙のこと(2)

Sさんが母国に帰ってから1か月ほど後のこと。 私たち三線サークルのメンバー数名で、飲み屋に飲みに行く機会があった。忘年会だったのかもしれない。ちょうど今と同じように寒い時期だったという記憶はあるが、何のための飲み会だったのかということまでは…

ある手紙のこと(1)

もう書いてみようか、と思う。 このことについてうまく書き伝えられる自信がないままに年月が過ぎ、そして今でも十分に伝えられるかどうかは分からないままだけれども、それでもやっぱり書いてみようかと思う。 なぜなら、この出来事のことがいつもずっと、…

「手品」

手品。マジック。 それらを目にするときに、私はよく思うことがある。 「私は自ら、だまされることを望んでいる」と。 よく見てみれば、気づきそう。 考えてみれば、分かりそう。 そう感じるマジックの「タネ」であったとしても、私は自ら気づかないフリをし…

続・森山直太朗

(うむむ・・・。やっぱり・・・。あと一曲、この曲までは、やっぱり紹介しておきたいぞ・・。) 前々回、前回と紹介した「どこもかしこも駐車場」に加えて、私には、あと一曲だけ、ぜひこの場で紹介しておきたいという森山直太朗作の歌がある。なので、書き…

森山直太朗(2)

前回書いただけでは飽き足らず、今回も森山直太朗の「どこもかしこも駐車場」。 その2番の歌詞に入ると、さらに物語は展開する。 「どこもかしこも駐車場(2番)」 駅前はやたら 騒がしく野球帰りの 子供たちプードルが 変な服着てる本屋に寄って 帰ろうか…

森山直太朗

森山直太朗が好きだ。彼の作詞する歌詞が特に好きだ。「さくら(独唱)」「夏の終わり」あたりが世間一般に知れ渡っている彼のメジャーなヒット曲というところなのだろうが、彼の作詞作曲した歌には、その他にも素晴らしいものがたくさんある。その中でも、…

無題

今から十年以上前の、私が先生の教室に入門してから数か月も経っていない時期のある日のこと。先生が私に、あるものを手渡してきた。(先生が私に何かをくれたのはそのときが初めてだったと記憶しており、そのときのことをよく覚えている。)そのとき先生が…